実生で成功するための7つのポイント|失敗しない育て方の秘訣をご紹介!
植物沼にのめり込んだ人がその内行き着くのが「実生」です。実生の醍醐味はなんと言っても、新しい特徴を持つ自分だけのオリジナル株を生み出すことでしょう。
しかし、実生は種子の状態から育て始めるため、強い生命力を持った成体株とは違い、ちょっとの失敗で簡単に死んでしまいます。
そこで今回は、実生初心者に向けて「実生する上で失敗しないためのポイント」を7つご紹介します。
発芽条件を理解する
実生をする上で発芽条件は必須知識とも言えるほど重要です。
発芽に必要な要素には大きく分けて「水(湿度)」「空気(酸素)」「温度(発芽温度)」「光(明るさ)」そして「種子鮮度」の計5つの条件があります。
詳しくは下記の記事で解説しておりますので、気になる方はそちらをご覧ください。
温度管理
種子には発芽するために必要な温度があり、この温度条件を満たしていないと中々発芽してきません。
この温度条件は植物によって異なるため、それぞれの植物に合った温度環境を整える必要があります。
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湿度管理
種子は保管状態にあるときは乾燥しており、この状態では休眠状態にあります。そのため、発芽するためのスイッチを入れるためには水分が必要になります。
しかし湿度が高すぎると今度は腐敗が始まってきてしまいます。適した湿度は大体80%程度になります。
明るさ(覆土の有無)
種子の種類によっては明るいと発芽してこないものや、逆に発芽するために明るさを必要とする種類もあります。
明るさは種子に土を被せて調整をします。
カビ対策
実生において最も天敵となるのがカビになります。
生命力が強い種子であればカビが生えることはあまりありませんが、弱っている種子やカビやすい種類の種子はカビ対策を怠るとあっという間に全体に広がってしまいます。
一度カビてしまった種子が発芽することはほとんどないため、カビ対策は非常に重要な工程になります。
適切な処理
種子の中には「硬実種子」や「低温湿潤処理」が必要なものなど、特定の処理を行わないと発芽しない種類があります。
硬実種子は種子の外皮が非常に硬く、やすりで削ったりハイターで溶かしたりなどが必要になります。
低温湿潤処理は湿らせた種子を冷蔵庫などの冷暗環境に起き、数日間から数週間保管して休眠状態にある種子を活発化させ、発芽率を上げる方法になります。
発芽後に水を切らさない
発芽後初期は植物が内部に水分を溜め込む力が弱いため、水切れ(カラカラに乾燥させる)を起こしてしまうと簡単に枯れてしまいます。
そのため、腰水管理を行なったり、土の状態を見ながら乾き切る前に水を与えたりなどが必要になります。
土を動かさない
発芽直後の根は非常に細く弱いため、土を少し動かすだけでも簡単に折れたり潰れたりしてしまいます。
そのため、なるべく土が動かないように硬い鉢に入れたり、水やりの際にも腰水管理を行なったりなどが必要になります。
放置はNG
実生した最初の頃は種子や周囲の環境を細かく観察していないと、数日放置しただけでカビが一面に広がっていたり、土が乾いていたり、少し目を離すだけで種子が死んでしまう可能性が十分にあります。
可能であれば1日2回(朝と晩)、最低でも1日1回は観察することが必要です。
種子の鮮度
種子の鮮度は上記で説明したもの中でも最も重要だと思われます。
種子は新鮮であればあるほど発芽率が高く、時間が経過して種子が古くなればなるほど発芽率が低下していく傾向にあります。そのため、一般的には種子は収穫後1年以内に発芽させるのが望ましいとされています。
つまり、種子の鮮度が悪ければ、発芽に必要な3要素(水、空気、温度)や光の管理、その他の処理や環境が完璧だとしても、発芽率は低くなってしまうということです。
種子を発芽させるには「種子の鮮度」が一番重要であり、種子の鮮度が良ければ周囲の環境が多少悪くても種子は発芽してくれます。
まとめ
実生する上で以下の7つのポイントを押さえておけば、実生で失敗することを大幅に減らすことができます。
- 発芽条件を理解する
- カビ対策
- 適切な処理(硬実種子、低温湿潤処理)
- 発芽後に水を切らさない
- 土を動かさない
- 放置はNG
- 種子の鮮度
実生に限らず最初の挑戦は失敗して当たり前です。だからこそ、基本的な部分(重要箇所)をしっかりと抑えておくことで、その失敗の規模をできる限り小さくすることが重要です。
しかし、種子によっては実生難易度が非常に高いものもありますので、初心者はできる限り実生難易度が簡単なもの(発芽率が高いもの)から挑戦することをオススメします。
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