発芽に必要な要素(発芽条件)とは何か?実生で失敗しないために押さえておくべきポイント5選!

実生をする上で発芽条件は必須知識とも言えるほど重要です。

発芽に必要な要素には大きく分けて「水(湿度)」「空気(酸素)」「温度(発芽温度)」「光(明るさ)」そして「種子鮮度」の計5つの条件があります。

今回はこれら5つの条件について、詳しく解説していきます。

発芽条件

種子が発芽するためには「水(湿度)」「空気(酸素)」「温度」の3つが発芽するための条件としてあり、その他に発芽に大きく関わってくるものとして「光」と「種子の鮮度」があります。

「えっ!発芽に栄養素(肥料)や用土は関係ないの!」と思われた方、その通りです。発芽自体には用土や肥料は関係ありません。ですが、発芽した苗が成長するためには生育に適した用土や肥料(栄養)が必要となります。

次からはそれぞれの要素の役割や重要性について解説していきます。

 

①水(湿度)

種子は乾燥した状態で保存されていますが、種子は乾燥状態にあると休眠してしまっています。

そこで、種子を目覚めさせ、活動を始めさせるには水分が必要になります。

水分を吸収させて休眠から目覚めさせることで種子が活性化し、種子が膨張して発芽し始めます。

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種子に水を吸収させるために、種を蒔く前に浸水させたり、蓋をして空中湿度を上げることが必要になってきます。

 

②空気(酸素)

成長した植物と同じように、種子自体も呼吸を行います。

休眠時は穏やかだった種子は、水を吸収したことで呼吸を始めて発芽するために必要なエネルギーを作り出します。

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空気(酸素)については、真空状態で種まきをすることなんてありませんので、あまり意識する必要はありません。

 

③温度(発芽適温)

人間にも活動しやすい温度があるように、種子の発芽には適切な温度(発芽適温)があります。

人間も暑すぎれば動く気がなくなり、寒すぎると動きが鈍くなるように、種子も温度が高すぎると枯れてしまい、低すぎると発芽が遅くなったり、停滞したりしてしまいます。

植物の種類によって最適な温度(発芽適温)は異なりますので、種子ごとに適切な温度管理が必要になります。

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この「温度」というのが、種まきをする「時期」に関わってくるということになります。

 

「冬場のような寒い時でも種を蒔きたい!」という方は、部屋のヒーターを使用して室温をあげるか、下記のような育苗用のヒーターマットや温室用ヒーターを使用することで、冬でも実生を行うことができます。

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④光(明るさ)

ほとんどの種子にとって光が発芽に影響を与えることはありません。しかし、一部の種子は発芽に光を必要とするものや、逆に光が発芽の邪魔をするものがあります。

発芽に光(明るさ)を必要とする種子を「好光性種子(こうこうせいしゅし)や光発芽種子(こうはつがしゅし)」と呼び、光が当たらない方が発芽しやすい種子を「嫌光性種子(けんこうせいしゅし)や暗発芽種子(あんはつがしゅし)」といいます。

種子が好光性種子と嫌光性種子のどちらの性質なのかによって、光(明るさ)の調整をするために覆土(土を被せること)をするかしないかが決まります。

 

⑤種子の鮮度

種子の鮮度は上記で説明した4つの要素以上に重要だと思っています。

種子は新鮮であればあるほど発芽率が高くなり、時間が経過して種子が古くなればなるほど発芽率が低下していく傾向にあります。そのため、一般的には種子は収穫後1年以内に発芽させるのが望ましいとされています。

つまり、種子の鮮度が悪ければ、発芽に必要な3要素(水、空気、温度)や光の管理が完璧だとしても、発芽率は低くなってしまうということです。

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つまり、種子を発芽させるには「種子の鮮度」が一番重要であり、種子の鮮度が良ければ周囲の環境が多少悪くても発芽してくれるというわけです。

 

まとめ

今回は発芽に必須な5つの条件について解説してきましたが、これらはあくまでも基礎部分であり、実生を成功させるためにはこれらの他にも様々な要因が関わってきます。

下記の記事では実生を失敗させないためのポイントについて解説していますので、興味がある方はぜひご覧ください。

 

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