今回は、冬型塊根植物の一つである「オトンナ・ユーフォルビオイデス」の実生記録についてシェアしたいと思います。
特に、成功率を上げるために使用した「低温湿潤処理」について詳しく説明します。この方法を使えば、きっと元気なユーフォルビオイデスを育てることができるはずです。
オトンナ・ユーフォルビオイデスとは?
オトンナ・ユーフォルビオイデス(Othonna euphorbioides)は、別名ユーフォルビア属の植物で、冬型塊根植物として知られています。
ユーフォルビオイデスは、見た目がユニークな多肉植物です。大きくふくらんだ根や茎が特徴で、古株になると表皮が黒っぽく変化します。
枝の先端部分にはトゲのようなものがびっしりと生えていますが、これは秋から春にかけて、黄色いかわいらしい花を咲かせ花柄が枯れ落ちた後に残ったものです。
種子はどこで手に入るのか?
ユーフォルビオイデスの種子はメルカリやPayPayフリマ、ラクマなどのフリマサイトやヤフオク等での購入が一般的です。
種子の大手販売サイトでもある「Seed Stock」や「多肉植物ワールド」「プラントブラザーズ」では販売されていませんでした。(執筆現在)
ユーフォルビオイデスは種子の採取から半年ほど経過すると発芽率が大幅に減少する傾向にあります。また保存状況も発芽率に影響するため、購入の際は種子の採取時期と保存方法は必ず確認しましょう。
ユーフォルビオイデスの基本情報
- 発芽温度:低温湿潤処理
- 生育適温:15℃〜25℃
- 発芽湿度:70%〜100%
- 明るさ(覆土の有無):関係なし
- 特殊な処理・特性:低温湿潤処理
- カビやすさ:★☆☆☆☆(カビづらい)
- 実生難易度:★★☆☆☆(簡単)
低温湿潤処理とは?
低温湿潤処理は、種子を低温で一定期間湿らせることで発芽率を高める方法です。この方法は、寒冷地出身の植物に特に有効で、ユーフォルビオイデスのような冬型塊根植物にも適しています。以下に、筆者が実際に行った手順を詳しく紹介します。
低温湿潤処理の手順
種子を水の中に浸水させ、6時間〜12時間程度放置すると、種子の表面にプルッとしたゼリー状の膜が張ります。
種子をペーパーの上に均等に配置します。この時、種子同士が重ならないように注意してください。
実生の管理
実生の管理は、特に発芽後の数週間が重要です。以下のポイントに注意してください。
温度管理
発芽後は、15〜25℃程度の温度を保つようにしましょう。
寒すぎると根が動かずせっかく発根したにも関わらず、活動が停滞してしまいますし、暑すぎると今度は蒸れてしまい苗がダメージを受けてしまいます。
↑温度調節機能なし↑
↑温度調節機能あり↑
水やり
播種してから間もない苗は乾燥に非常に弱いため、なるべく用土が乾燥しない状況を保ちましょう。発芽してから数週間〜数ヶ月は腰水管理をした方が良いかもしれません。
苗がある程度大きくなり、根がしっかりと張っているくらい成長したら、土の表面が乾いたら水を与えるようにします。過湿は根腐れの原因となるため、注意が必要です。
風
風通しも重要です。風は植物の呼吸を助け、蒸れを防ぐ役割を果たします。
風通しの良い場所に苗を置くことで、病害虫の発生を抑え、健全な成長を促進します。
特に湿度の高い環境では、風通しを確保することでカビや菌の発生を防ぐことができます。人工的に風を送る場合は、ファンを利用して穏やかな風を送りましょう。
光管理
光は植物の成長に不可欠な要素です。日光がしっかり当たる場所に置くか、育成ライトを使用して光を確保します。
光が不足すると、苗が徒長(ひょろ長くなる)しやすくなり、健康な成長が妨げられます。特に発芽直後の段階では、強い直射日光は避け、適度な光が当たるようにしましょう。
育成ライトを使用する場合は出力にもよりますが、8時間〜12時間程度照射します。タイマーを使用することで非常に楽に管理することができます。
オトンナ・ユーフォルビオイデスの成長記録
【6日目】-2024/05/03-
4月27日に低温湿潤処理によって発根した種子を土に埋め、そこから6日経過したところで芽が出てきてくれました。
【29日目】-2023/05/26-
最初に出てきた葉もだいぶ大きくなり、次々に葉が展開しています。
【51日目(1ヶ月21日)】-2023/06/17-
播種からまだ二ヶ月経過していませんが、一部の株から花芽と思われるものが出ています。
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